■激流の傾向のレースだが、例年より逃げ、先行型が手薄
カペラSはJRAで唯一行われるダ1200mの重賞。ゆえにJBCスプリントの上位馬や同年のスプリント重賞で勝ち負けした馬、前走勝ちの上がり馬などの強豪が集結し、例年ほぼフルゲート16頭立てで行われる。スピード自慢のスプリンターが集うため、当然、出走馬16頭中、逃げ、先行策で勝ち上がってきた馬が大半を占める
またこの舞台の中山ダ1200mは、高低差4.5mのダートコースの頂上に位置する2角奥の芝のポケット地点からスタートするコース。緩やかに坂を下って行くコースで、最初の3角までの距離は502m。芝スタート+下り坂でダッシュが付く上に最初のコーナーまでの直線が長いとなれば、隊列形成もすぐには決まらず、前半ペースは速くなる。
しかも、中山は年間を通してもJRAのどのダートコースよりも時計を要すタフな馬場状態。前に厳しい条件が揃ったも同然で過去10年の平均前後半3Fは33秒19-36秒69と速く、過去10年で5回も32秒台に突入している。
しかし、それでも過去10年で逃げ馬が2勝、2着1回、先行馬(基準は3角の位置が2~5番手以内)は5勝、2着2回、3着7回と活躍している。逃げて連対した3頭はGⅠ、Jpn勝ちやそれに準ずる能力があった馬たちだが、やはりダ1200m戦はペースが上がっても逃げ、先行馬が強く、有力なのだ。
その上で今年は例年のこのレースと比較した場合に、逃げ、先行型が手薄である。テンが速いテイエムトッキュウが4番枠と内枠を引いたので、同馬がハナを主張して、外のチェイスザドリームがその2番手と隊列がわりとスムーズに決まる可能性が高い。11月の室町S時にテイエムトッキュウに外からチェイスザドリームがファーンヒルとともに競りかけ、共倒れした経緯があるからだ。
また、先行型にアイスリアンやピンシャンがいるが、それらはペースが上がっていいタイプではないので2列目を狙うだろう。ここはテンが速くなる中山を考慮しても、前半3F33秒半ばで入って行けると見ている。よって、先行型を中心に予想を組み立てた。
■有力馬とそのコメント
◎ (13)チェイスザドリーム
4走前のOP・安達太良Sの勝ち馬。4走前は11番枠から五分のスタートを切った後、外にヨレてしまったが、それを立て直してじわっと先行。最終的には逃げ馬ハコダテブショウの外2番手まで上がり、3~4角でもハコダテブショウをマークで半馬身で直線へ。直線では同馬にしぶとく食らいつき、ラスト1Fでしぶとく伸びて先頭。外から強襲されたが、それをクビ差で振り切った。
4走前は前半3F33秒6-後半3F36秒6のかなりのハイペース。当時、展開に恵まれて外から強襲したクビ+アタマ差の3着馬が(4)デュアリストである。
また前々走3走前のNST賞でも、4番枠からまずまずのスタートだったが、二の脚ですっと先行し、ハナに立ちかかったところを、外からシンシティが競ってくる。序盤は内から抵抗していたが、最終的には控えて2番手。3~4角でペースが落ちたところで、再び外から差を詰めて3/4差で直線へ。序盤ですっと反応してラスト1F標手前で先頭、抜け出しかかったが甘くなり、そこを外から一気にアルファマムに差されての半馬身差だった。
しかし、前々走は前半3F33秒9-後半3F37秒3の超絶ハイペースだっただけに、負けて強しの内容で、ここでも展開に恵まれたデュアリストに先着している。
前走の室町Sは3頭雁行と先行争いが厳しくなり、本馬は一番外を追走。最後の直線で一気に差し馬が台頭する競馬になったが、本馬は8着ながら着差は0.3秒差と大崩れしていない。前走で厳しい流れを経験したことで持久力の強化が見込め、ここでのもうひと押しを期待する。
公開日時:2023/12/10 12:46