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土曜の京都は、直線の強い追い風&道悪という特殊な状況に。追い風の影響はラップにも表れていて、加速ラップが非常に多くなりました。馬場が乾く日曜は追い風の影響のみ。基本的に追い風は差し馬の切れ味を後押しする材料であって、差し有利に働きます。
難しいのが展開面。逃げたいのはセルバーグでしょうが、テンの遅い逃げ馬なだけにバスラットレオンの出走が頭を悩ませています。しかも、セルバーグの外にバスラットレオンという並びは厄介。バスラットレオンが被せてしまう可能性もあり、どちらが行くのか。陣営コメントを読む限りではセルバーグの方が積極的に運びたい様子。この馬は中緩みを作らない方が強い競馬をするという特殊な馬で、実力は相当なレベルにあります。中緩みを作らなかった中京記念で完勝したのがその証拠。セルバーグが前半3Fを遅めのペースで逃げて、そこからは中緩みを作らない高速持続ラップにすると予想しますが、京都マイルらしい中緩みありのスローに転んでも良いだろう馬から狙います。
◎8.ソーヴァリアント元々スローからの瞬発戦を得意としている馬。富士Sは超ハイペースになって持ち味を発揮できるラップでなかったと考えていますが、それでも3着に来たのは驚きました。ハイペースを追走した前走の経験が活きて、今回は行き脚が付くはずです。2000mでも強かった通り、スタミナは豊富なので、セルバーグの特殊ラップを追いかけても止まらないだろうと考えます。中緩みの大きいスロー戦になったらなったで、そういうレースは得意としているので何の問題もありません。マイルならペースへの適応力が高いと考えて本命とします。
○9.シュネルマイスター(バスラットレオン逃げ用)毎日王冠はインで詰まり、外に持ち出すまでに相当なロスがありました。それでいてタイム差なしの3着はやはり能力が高い。マイラーズカップは好時計で上がり最速32.9秒をマークと、京都適性は見せました。最近は追走力に陰りが見えてきたので、スローペースになってくれた方が追走力を補えてプラスに出ると考えています。上がり性能はメンバー1.2の馬です。
▲13.セルバーグ(セルバーグ逃げ用)すんなりの逃げなら本当に強い馬。3着だった2勝クラスのラップを非常に高く評価していて、マイル戦だというのに中緩みを全く作らず、3〜7F目までの中間ラップが55.7秒とスプリント戦並み。パタっと止まってもおかしくない流れで3着に残したのは衝撃的というしかありません。とにかくテンの遅い逃げ馬で買い時が難しいのですが、初めの3Fをスローにして、後半5Fのロンスパ戦になれば、必ず通用すると考えています。バスラットレオンの内に入ったのは厄介ですが、主張する気を見せれば、案外すぐ譲ってくれる可能性もありそう。
△7.エルトンバローズ(バスラットレオン逃げ用)毎日王冠は完全に仕掛け遅れたソングラインとシュネルマイスターをギリギリ凌ぐ内容。切れではトップ層に劣るので、先行してどこまでかの競馬でしょう。1800mよりはマイルの方が良い馬だと考えていて、元々は1600mに距離短縮して連勝した馬です。1800mで勝ち切れない甘さが、マイルで完全に払拭されました。京都マイルでの1勝クラス勝ちが中緩みの大きいレースになりましたが、先行して33.6秒の上がりをマークして楽勝。スローを先行すれば、速い上がりを使ってそう簡単には差されないだろうと考えます。
△16.ナミュール(セルバーグ逃げ用)安田記念はスタートと直線で不利があって度外視。ヴィクトリアマイルもスタート後に狭くなる不利がありました。超ハイペースの富士Sは非常に高いパフォーマンスでしたが、この馬が走る時は厳しいペースの時に偏っています。スローペースで切れ味を活かすよりも、タフな流れで他馬が苦しんでくれた方が高いパフォーマンスを発揮できる馬でしょう。
以下は買わない馬ですが、伏兵はゴロゴロいます。見解をご参考の上、アレンジしていただければと思います。
1.ソウルラッシュ元々道悪で連勝してきた馬で、瞬発力勝負では分が悪い馬。そういう馬だけに、なるべくならハイペースになってくれた方が良い馬でしょう。
2.ビーアストニッシドマイラーズカップは意外な好走でしたが、ここの出走馬3頭に先着を許しました。安土城Sは後方から32.8秒の上がりと、意外な面も見せていますが、あくまで1400mでのもの。現実的には厳しい。
3.ダノンスコーピオンマイルカップは強かったものの、それ以降、パフォーマンスの上積みが見られません。安田記念に関しても鞍上が「敗因がよく分からない」と述べています。現実的には買いにくい馬です。
4.エエヤン毎日王冠は伸びずバテずの内容。マイルカップは伸びない内に入ってのものですが、中山で3連勝した馬で、ここでは切れで劣ります。
5.ジャスティンカフェ毎日王冠は出遅れたものの、外からストレスフリーで追えましたが、仕掛け遅れたシュネルマイスターに一瞬にして交わされました。ただし、マイルの方が良い馬なのは明らか。昨年のマイルチャンピオンシップはインで詰まる不利がありながら僅差の6着と力を示しました。切れ味に衰えはないので、位置取り面がカギ。
6.ダノンザキッド大阪杯は外目を追走しながらしぶとく3着。宝塚記念は追い込み決着になっただけに仕方ありません。2年前のマイルチャンピオンシップは4F通過47.9秒とスローで、昨年は4F通過46.6秒のハイペース。異なるラップで好走しているのは武器になりますが、近走、速い上がりの出るレースを使っていません。このローテも不安で、また、トップスピードの衰えが見えていないだけの可能性も。陣営が「金曜の雨が残って、少し時計を要す馬場ならプラス」と述べているのも少し怪しさを感じさせます。トップスピードに衰えさえなければ通用するでしょう。
10.マテンロウオリオン切れ味ではトップ層に劣るので、位置を取るしかないと考えていますが、出遅れ癖のある馬でまずは位置取り面で不安。マイラーズカップが参考になると考えていますが、シャイニーロックに先着できないようでは……。現状、G2やG3までの馬でしょう。
11.セリフォス安田記念はペースが流れて先行不利でしたが、2着確保とやはり強いところを見せました。ダイワメジャー産駒ながら切れ味抜群で、昨年のマイルチャンピオンシップはゴボウ抜き。ダイワメジャー産駒としてはアドマイヤマーズと同様のタイプと見ているので、京都も問題ないと見ています。ですが、先行意識の高い川田騎手鞍上で差しに回ってくれるかがカギ。
12.レッドモンレーヴ力は通用すると考えていますが、輸送があるというのに調教後の馬体重が508キロと、前走時と比較して+2キロのみ。ここから減ることを考えるとどうでしょうか。普段なら大きくは意識しないファクターですが、蛯名正義厩舎は関西圏への輸送経験が乏しく、結果も壊滅的。まだ開業3年目でノウハウが蓄積されていない可能性が高いと考えています。当日の馬体重は必ずチェックしたいところです。
14.バスラットレオン元から瞬発力を武器にする馬ではなく持続力で勝負する馬。切れの必要な京都では厳しいと見るのが妥当でしょう。
15.イルーシヴパンサー前走・富士Sは超ハイペースを追走して脚を失ったものなので度外視可能。先行できたのは収穫。安田記念は他馬に囲まれる場所に入って伸びあぐねたものの、他馬から解放された最後はよく伸びています。中山記念は内でどん詰まりの不利。脚色はあり、スムーズなら上位でした。穴なら。
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