netkeiba

＜予想＞

◎：ヤマニンチェルキ
スタート課題もプラス材料が多い

○：エコロアゼル
外枠が理想なので最内の対応が課題

▲：ミラクルヴォイス
ここ2戦の時計なら中央馬相手でも

△：マテンロウコマンド
1200mで流れが速くなるのは不安材料




＜傾向＞

■ 近3年3着以内馬ローテーション
※レース名(人気,着順)

・2024年
【中央：3番人気】ヒヤシンスS(6,5)→昇竜S(4,1)→兵庫CS(4,2)
【中央：2番人気】ネモフィラ賞(1,1)→バイオレットS(4,1)→兵庫CS(1,1)
【地方：5番人気】羽田盃(5,7)→東京ダービー(10,16)→優駿スプリント(3,1)


北海道スプリントカップは、去年から『全日本的なダート競走の体系整備』で、古馬の層が厚い短距離路線における3歳馬の賞金獲得機会拡大の観点から出走資格および時期を変更。3歳限定のレースになり、実施時期も8月に変更。出走馬が全く違うローテになるので、近3年3着以内馬の傾向は2024年のみ。

2023年までの中央馬は、2歳は1400〜1600m（兵庫JG・全日本2歳優駿）が王道路線。3歳になったら1600〜2000m（ユニコーンS・ジャパンダートダービーなど）が王道路線になり、1400m以下がベストの馬は仕方なく1600m以上を使っていた。

『全日本的なダート競走の体系整備』で、1400mになった兵庫チャンピオンシップ好走馬、3歳になって1400mのオープン特別を勝った馬、1200m以下の2勝クラス・3勝クラスを勝った馬が目標とするレースになっている。その中でも1400mでも距離が長い1000〜1200mがベストの馬は、ここへの勝負度が高くなることが予想される。

去年のティントレットの好走を見ると、門別の馬場や輸送に対応できなかったり、もまれる競馬で力が出せない中央馬が出た場合は地方馬の出番が出てくる。でも、完成度の高さで互角に戦えた2歳戦と違って、3歳8月までなると素質と成長力から差が出ている。基本は中央馬が中心になる。




＜展開＞

逃げたいのは、エコロアゼル、ワンダーウーマン。エコロアゼルはゲートに怪しいところがあって、逃げた2走前は好位勢がみんな控えて、2番手に普段差す競馬をしているミロワールが2番手にいたレース。普通にスタートを出てもワンダーウーマンの方が速い可能性が高い。

エコロアゼルは、ハナを取りに行ってダメなら外に切り替えて2番手を取りたい。でも、その位置はミラクルヴォイスも取りに行く。それに続いてマテンロウコマンド、ベラジオゼロ、ヤマニンチェルキあたりが追走。

想定した形でワンダーウーマンがハナならハイペースにはならない。35秒台前半くらいの入りで平均ペースを想定。




＜予想詳細＞

本命は、ヤマニンチェルキ
バイオレットS(4,1)→兵庫CS(2,4)→天保山S(4,8)

前走の天保山S(OP:阪神ダ1400m)は、出遅れて最後方から追走。4コーナーで前の馬の間に入ろうとしたら狭くなって、結局少し抑えて直線に入るところで外へ。直線で外から伸びてきたが0.8秒差8着まで。

かなりの相手強化になる古馬相手のOP特別に加えて、苦手な芝スタート。最後方から外に出して差し切るまでの脚を使うのは無理。53kgの軽量で4番人気になっていたが、3歳6月時点で古馬相手に負けるのは普通。上がり2位タイの脚が使えただけで、よく走っていると言えるレースだった。


今回は、プラス材料が多いことが魅力。

まず、ダートスタートはプラス材料。芝スタートのバイオレットS・天保山Sは、出遅れから二の脚で盛り返せずに後方からになっている。一方で、ダートスタートなら出遅れても二の脚で盛り返して、兵庫CSや4走前の阪神ダ1200mでは5番手を取れている。

次に、ワンターンコースの外枠もプラス材料。兵庫CSでは、外枠から5番手を取っていたが小回り1周コースで終始外追走。スピードに乗り切れないまま回っただけのレースになっていた。スピードに乗って長く脚を使う馬なので、ワンターンコースの方が合っている。あと、内枠だと出遅れて盛り返すところで被されるので、出遅れてもスムーズに盛り返せる外枠も歓迎。

さらに、8頭立ての少頭数もプラス材料。出遅れる可能性が高いので、外枠でも頭数が多いと前走のように外を走るロスが大きくて、先頭との差が大きい状態で直線に入ることになる。それが8頭立てなら、外を走るロスが小さくなって、先頭との差も小さい状態で直線に入ることができる。長くいい脚を使うこの馬には、少頭数はレース運びがしやすくなるので歓迎。


ここ2戦の馬券圏外は、ハッキリした理由のある凡走。兵庫CSは、小回り1周コースを終始3頭分外追走して仕掛け遅れ。天保山Sは、古馬相手で芝スタート。この2戦の凡走で人気は落ちてくれそうなことも魅力。

鞍上は乗り替わるが、地元の石川倭騎手を確保（ホッカイドウ競馬騎手リーディング 2024年度：1位、2025年度：2位(8月12日時点)）して勝負度の高さも感じる。エコロアゼルが外枠なら本命を迷ったが、エコロアゼルが最内なら迷わずプラス材料が多いヤマニンチェルキから勝負する。




対抗は、エコロアゼル
ヒヤシンスS(10,10)→安芸特別(2勝クラス:阪神ダ1200m)(2,1)→TUF杯(3勝クラス:福島ダ1150m)(1,6)

前走のTUF杯(3勝クラス:福島ダ1150m)は、出遅れて少し外に出しながら盛り返して1列目外の4番手まで上がって3コーナーへ。3頭分外を走っていたので少し遅れて、内の2頭に差を広げられて3番手で直線へ。そこから我慢していたが、ゴール直前で差し馬勢に吸収されて0.5秒差6着。

予想では「あっさり勝っても驚かない能力はあるが、前走から距離短縮で速い流れだと不安がある」と書いて対抗にしていた。レースではペースの流れる展開に、出遅れと外追走もあって、脚が止まってしまった（予想は◎→▲→☆で馬連・3連単的中）。1番人気を裏切った結果だったが、負け方としては納得できる負け方だった。


今回は、3歳限定の門別ダ1200mになって、ワンダーウーマンが逃げる展開は魅力。

芝スタートの福島ダ1150mと3歳限定でダートスタートの門別ダ1200mの比較なら、今回の方が前半は速くない。それに加えて、ワンダーウーマンが逃げる展開なら中央馬には追走が楽になる。安芸特別(2勝クラス)で5馬身差の圧勝をしたが、あのレースは雨の影響で時計が出る馬場の平均ペース。前走より無理せずに追走できる流れになるのは歓迎。


課題は、最内に入ったこと。

3勝しているが、逃げか好位外。砂を被って脆さが出る馬ではないが、出遅れから外に出したヤマボウシ賞やTUF杯を見るとスムーズに走れないとパフォーマンスは落ちる。外枠、かつワンダーウーマンより外なら本命も考えていたが嫌な枠になってしまった。ハナを取りに行くチャレンジをすると思うが、ワンダーウーマンに競られるくらいなら譲って外に切り替えたほうがいい。

ワンダーウーマンが星雲賞のように後続を少し離してくれたら、最内でも外に切り替えることができる。すんなり外の2番手を取れたら、直線で抜け出して押し切る走りができていい。3コーナーに入る時の位置次第で勝つチャンスがあると考えている。




単穴は、ミラクルヴォイス
北斗盃(3,3)→ゲラニウム特別(A3:門別ダ1200m)(1,1)→星雲賞(1,1)

前走の星雲賞(門別ダ1200m)は、外枠からじわっと出してワンダーウーマンから少し離れた2番手で追走。1馬身差まで近づいて3コーナーに入って、直線に入ってすぐに先頭。残り200mからワンダーウーマンの脚が止まると一気に差を広げて4馬身差で完勝。

結果を出していた1200mに戻した2走前がかなりの好内容。そのレースと全く同じ時計で走っての連勝。見た目通りに強い内容だった。


この馬は、休んだことで大きく成長したのが魅力。

2歳時に使われながらパフォーマンスを上げてネクストスター門別を勝利。その後は休養して年明けにやや距離の長いネクストスター北日本で2着、同世代トップクラスがいた北斗盃でもソルジャーフィルド・ウィルオレオールに大きく離されず0.2秒差3着。そして、勝っていたベストの1200mに戻ったここ2戦がかなりの好内容。

去年のチカッパの勝ち時計は「1:12.6」、2着エートラックスは「1:13.0」。今の門別は時計が出ているが、ここ2戦の勝ち時計は「1:12.1」。馬場差を差し引いても十分中央馬と戦えるレベルの時計で走っている。


好位外をスムーズに走りたいので外枠が理想だったが、枠の並びからエコロアゼルよりは外には出しやすい。すぐ外の枠のワンダーウーマンを追いかけたら自然と好位外を取れるはず。

勝つにはヤマニンチェルキが想定より位置が悪かったり、エコロアゼルが被されて外に出せないような助けがないと厳しいと感じる。でも、馬券圏内争いなら期待できるので3番手評価にした。




4番手は、マテンロウコマンド
3歳1勝クラス:中京ダ1400m(8,1)→昇竜S(2,1)→兵庫CS(1,1)

前走の兵庫CS(Jpn2:園田ダ1400m)は、外枠から位置を取りに行って好位外の3番手で追走。リリーフィールドのマイペース逃げに付き合って、3コーナーからの追い出し。直線で前の2頭の脚が鈍ったところを交わして2馬身差で勝利。

ペースの流れやすい条件だが、淡々とした流れで前有利の展開。中京の緩急のある流れで、好メンバーだった1勝クラス（2〜4着馬が次走勝ち上がり）を勝っているこの馬には絶好の展開だった。


今回は、1200mに距離短縮が課題。

4連勝中だが、どのレースも少し緩むところがあったレース。中央での3戦は、コーナーで少し緩んで直線で加速する流れ（昇竜Sのレースラップは早仕掛けの逃げ馬の影響で直線に入って加速できていないが、2番手以降はコーナーで少し緩んでいる）。前走の兵庫CSも淡々とした流れでペースアップが遅かった。

4連勝の内容を見ると1200mに距離短縮すると同じ脚が使えるのか不安がある。3歳限定のワンダーウーマンが逃げる展開なので、極端に速くはならないが1200mになることがマイナスになっても、プラスになることはないと考えている。

安定感があるので消すまではできないが、この条件なら勝つ可能性が下がると考えて頭なしの相手までとした。




※以下は、買わない馬の評価。

■ 地方馬

ワンダーウーマン
前走の星雲賞は、マイペースで逃げたが直線に入るところでミラクルヴォイスに交わされて4馬身差2着。レース間隔が少し空いていたのはあったが、楽逃げすぎて上がりを速くしすぎたのが裏目に出た印象。もう少し速めのペースにしたらミラクルヴォイスとの差は縮まると思うが、逆転できるイメージは浮かばない。それに加えて、中央馬も加わると馬券圏内に残るには中央馬がかなり凡走してくれないと厳しいので消し。


ベラジオゼロ
前走の星雲賞は、ミラクルヴォイスを後ろから見ながら追走して、4コーナーからついて行けず1.0秒差3着。11ヶ月ぶりで32kg増だったので、時計的には悪くない走り。

今回は、どこまで良化できるかが課題。3連勝で栄冠賞を勝った完成度の高さを見せていた馬。使って良化してくると思うが、ミラクルヴォイスとの1.0秒差は大きい。適性的にも、上がりがかかった方がいいと考えているので、中央馬ではなくワンダーウーマンが逃げる展開だと中央馬とミラクルヴォイスを相手に先着するのは難しくなる。好走するには、しっかり良化して展開の助けもいると考えると消す判断になった。



ヴィルミーキスミー
牝馬重賞路線を使っていて、3走前のフロイラインスプリントでは3着だったがワンダーウーマンに1.7秒も離されていた。この相手は厳しい。


パレスゴールド
使われながら徐々に成長して、「B3」の1200mを連勝。ただ、時計的に門別勢との比較でもかなり見劣る。それに加えて、中央馬もいるので相手が強くて厳しい。