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10月11日 アイルランドT GII

写真:

だんご 午後競馬専門の単勝馬券師

◎ ニシノティアモ

東京11R/アイルランドT◎1.ニシノティアモ(想定5番人気)○3.クイーンズウォーク▲5.カネラフィーナ☆2.チェルビアット-------以下は三列目評価-------△11.ラヴァンダ△16.カムニャック△4.クランフォード アイルランドTが施行される東京芝1800mは1~2コーナー間の引き込み線発走で最初のコーナーまでの距離が短い上に、最後に長い直線が待ち構えている騎手心理からペースが落ち着きやすく、向こう正面でいかに折り合いをつけて脚を溜められるかが重要。また、アイルランドTは同じコースで施行される府中牝馬S(春開催最終週のボコボコ馬場)とは異なり、開催2週目の踏み固められた高速馬場で行われるため、異なる馬場適性が問われる点も注意が必要(めちゃくちゃ速い上がりが出るような超高速馬場レベルには程遠いが)。エリザベス女王杯(京都2200m)の前哨戦という立ち位置からも激流にはなりにくいので、ゆったりした流れでも力まずに脚を溜めて速い脚を使う能力が求められる。ただし、今年はある程度先行型が揃っていて、距離延長馬の④クランフォードや⑬ワタシマツワは持続質に持ち込んで好走してきた馬だし、⑩セキトバイーストも緩急が小さい府中牝馬Sを連覇した馬。脚力戦になりやすいアイルランドトロフィーといえども、レースの主導権を握るこれらの馬が末脚勝負にはしたくない以上、昨年ほど純粋な脚力勝負にはならない可能性が高い。それでも大箱らしく最後にトップスピードの速さは一定程度求められるので、内枠なりに馬群に潜り込ませて折り合いを付けやすい馬や、長い直線を味方に最後まで脚を使える馬は狙い目になるとみて◎1.ニシノティアモに本命を打つ。◎1.ニシノティアモトップスピードの絶対値だけで勝負するより、追走力を問われた上で長く脚を使う形に強みがある馬。5走前の甲斐路Sは1000m59.5秒から後半も加速していく持続力比べを余力を残して差し切り、ジョイフルニュースに0.3秒差を付けている。続く4走前の福島記念でも牡馬相手に好位から押し切っているように重賞クラスの持続脚は既に示している。差し一辺倒ではなく、流れに応じて前のポジションからも脚を使える点は、今回の最内枠を活かす上でも大きな強みになる。3走前の中山牝馬Sは内前有利バイアスが強かったが、本馬は448kgの小柄な馬体で56kg(斤量対馬体重比率12.5%)を背負い、14番枠から外を回し続ける苦しい競馬になっていた。勝負所での反応こそ鈍かったが、それでも直線で勝ち馬から0.2秒差の5着まで持ってきた脚力は相当立派。枠なりに内を立ち回った馬が上位を独占した中でこれだけ詰めているのだから着順以上に評価する必要があるし、そことの比較でも最内枠から距離ロスを抑えられる今回は見直す余地が大きい。2走前のヴィクトリアマイルも、あれだけ速い脚を使える差し馬優勢の中で、8枠から前で追走負荷を引き受けながら6着に粘ったのだから個人的にはかなり評価している。脚を溜めて差した3着クイーンズウォークとは僅か0.1秒差だったので、今回の上位人気馬と渡り合えるだけの脚力は十分にあると思う。前走の府中牝馬Sは芝が剥がれたボコボコの荒れた馬場が全く合っていなかった上に、4コーナーで前の馬が下がってきて大きくリズムを崩したので10着を額面通りに受け取る必要はない。今回買いたいのは、持ち味である持続力を近走より消耗を抑えた形で発揮できると考えているから。55kgへの斤量減に加えて最内枠から先行勢を行かせて好位内に収まれれば、外枠勢が被る全てのロスを抑えられる。全馬が余力を残して短い区間の速い上がりだけを比べる形はベストではないが、今回はクランフォード&セキトバイースト等がある程度持続質の流れを作る想定。馬場もビュンビュンと時計がでるほどの高速状況ではないので、ある程度後続の脚が削がれながらの直線勝負になれば、道中から脚を使ってもしぶとく伸び続けられる本馬の強みが活きるはず。近走の不完全燃焼でオッズチャージが効くなら、すべての条件が好転するここは巻き返しを期待する価値があるとみて本命を打つ。 <相手>○3.クイーンズウォークストライドが広く、スムーズに加速して長く良い脚を使う形が合う馬なので、直線が長いコース自体はプラス。ただ、器用さに欠け、勝負所で馬群に包まれると再加速に時間が掛かってしまうため、大箱だから無条件に走りやすいという評価にはならない。早めに進路を確保し、勢いをつけて持続力を活かせる枠並びが理想ではあるので、もう少しだけ外の方が走りやすい並びではあったか。それでも、今回は先行馬を行かせてロスを抑えられる枠ではあるので、勝負所で包まれずに持ち出せれば十分に持ち味を活かせる。ヴィクトリアマイルは昨年2着・今年3着と2年連続好走。昨年は前日の雨で荒れた内が伸びにくい馬場を外から差せた上、離れた好位から早めに動いた先行馬が苦しくなる展開利もあった。今年のヴィクトリアマイルでは馬群に揉まれる競馬をこなし、カムニャックと同じ上がり33.1秒を使って好走しているので、単純なキレ負けとは考えていない。むしろ、この時との比較では対カムニャックで1kgの斤量利が貰えるのでスムーズに持続力を活かせれば逆転まであって良いと思う。ただ、昨秋の天皇賞は1000m通過62.0秒から上がり32.8秒を使っても9着だったように、十分に脚を溜めた相手とのトップスピード比べだと分が悪い立場なのは確か。昨年のアイルランドトロフィーのような純粋な直線勝負にはなって欲しくないところだが、今回はセキトバイーストが後続の脚を削ぐ持続戦に持ち込んでくれそうな点が好都合。踏み固められた高速馬場で枠なりに内を通せる今回は積極的に買いたい一頭。▲5.カネラフィーナ好位で折り合って長く良い脚を使う形が好走パターン。モタれ癖は左回りならそこまで課題ではなく、道中で溜めを作れれば比較的素直に力を出せる。右回りでモタれ癖が出たのが4走前の中山金杯で、直線では馬場の綺麗な外を通した馬が伸びる中、ただ一頭伸びない内を通して差していた。直線に向いてからかなりモタれて、騎手が矯正しながら追うのに苦労していたことを考えると、勝ち馬から0.3秒差の4着はまさに負けて強しと評価できる内容だった。ジューンSは左回りでモタれの影響が小さく、好位内で脚を溜めて内枠の利を十分に享受できた一戦。理想的に運べたオープン特別の勝利だけで今回のメンバーと互角の評価まではできないが、今回と同じ東京1800mで好位から上がり33.8秒を使って勝ち切れた点は明確な強み。中山金杯の内容も合わせて考えれば、条件が整えば重賞でも通用するだけの脚力はあると思う。前走の中京記念はレコードが出るほどの高速決着で道中に十分な溜めを作れていなかったので、1600mから1800mに戻して追走緩和される点は見直し材料になる。ただ、福島牝馬Sのように前に壁を作れず力むと、距離延長で得られる余裕まで失ってしまうので、発馬直後に馬群内に潜り込ませられるかが焦点。その点、今回は内目の枠からジューンSのように溜めを作って直線でスッと抜け出しやすい枠並びになった点が好材料。左回りでモタれの影響を抑えつつ、好位内で脚を溜めて直線を迎えられれば前走からの巻き返しを期待できるので、ここは人気も加味して積極的に買いたい。☆2.チェルビアットトップスピードの絶対値よりも、速い流れを追走しながらしぶとく脚を使い続ける持続性能が強み。昨年のNHKマイルカップは前が苦しくなる消耗戦で、内枠の利を活かして差し込めた側面はあれどパンジャタワーと僅差に走れており、あの好走を展開利だけで片付ける必要はない。3走前の愛知杯も、3コーナーで窮屈になって接触する不利がありながら、3着セフィロと同じ走破時計の5着に走ったし、ウイントワイライトにも先着。そのセフィロが次走の京王杯SCで2着に好走したことを考えても、不利を受けながら勝ち馬から0.2秒差に踏ん張った本馬には、重賞で通用するだけの脚力を認めて良いと思う。問題は、距離延長による追走緩和がそのまま位置取りの改善につながる馬ではなく、周囲の流れに合わせて追走する傾向がある点。1800mに延びた都大路Sでもポジションを上げられなかったが、ペースが流れて折り合いやすく、持続脚を活かせる形なら2着まで走れているので、今回も無理に前へ行くより、自分のリズムで追走しながら持続力を活かせれば巻き返しは可能。また、枠なりに内でロスを抑えられる2番枠を引けたことで、ポジションを取りに行く際に余計な脚を使わずに運べる点も魅力。後続の脚が削がれる流れを内々で追走し、直線でスムーズに進路を確保できれば、本馬のしぶとさが活きる公算は大きい。上位勢には能力で劣るところは否定できないが、本馬の強みを活かせる展開と枠は比較的揃ったとみているので、穴として狙いたい。-------以下は三列目評価-------△11.ラヴァンダ追い出してからエンジンがかかるまで時間を要する一方、トップスピードに乗ってから長く速い脚を持続する性能は非常に優秀。馬群の外で前に壁を作れないと折り合いを欠きがちなので、道中は馬群に潜り込ませて我慢させ、勝負所ではブレーキを踏まずに加速できる形が理想になる。ただ、内で脚を溜めたいことと、直線でも内にこだわりたいことは別で、極力揉まれない方が良いのは間違いないので、勝負所で溜めた脚をスムーズに使える進路を確保できるかが最大の鍵。評価しているのは昨年のアイルランドT。前半1000m60.8秒と序盤の追走力こそ問われていないものの、後半4ハロン44.9秒と長く速い脚を使う性能が求められた一戦で、好位イン勢が恵まれる中を大外から差し切った内容は着差以上に強かった。完璧な立ち回りをしていたカナテープを脚力で捻じ伏せており、十分に溜めが効いた時の末脚はこのメンバーでも上位。近走の凡走については、5走前のマイルCSはスタート直後に馬群に包まれてヒートアップし、その後も前に壁を作れず終始折り合いを欠いていたので悲観不要。3走前の阪神牝馬Sも含水率の高い緩馬場が合わなかっただけで、乾いた良馬場なら見直しが必要。勝った前走の中京記念は内枠から理想的に立ち回れた面こそあったが、中盤が締まった高速決着にも対応できることを示したのは収穫。連覇がかかった今年は昨年よりセキトバイーストが積極的に運びそうだが、前走中京記念の内容から、ある程度追走負荷が強くなっても道中で力まずに溜められれば最後まで脚を持続できるところは示している。岩田望来騎手とかなり手が合っていたので横山和生騎手に替わるのは割引材料だし、内枠を引いて好位で溜めを効かせたい立場ではあるので外枠替わりもマイナス。何なら昨年と異質のレースになると考えているだけに昨年の覇者は評価しづらく、結構割引材料も多い。それでもアイルランドTとは異質のレースになりやすい府中牝馬Sで凡走しているあたり、やはり秋の東京の馬場が一番合うのだろうと思うし、個人的には買いやすい材料。オッズなりの相手候補としては評価して良いのではないか。 △16.カムニャック追走力と末脚の持続力を兼ね備えており、ある程度ペースが流れても簡単には崩れない安定感の高さが強み。中盤で息が入ったスローの阪神牝馬Sと、道中も緩まず高速決着になったヴィクトリアマイルで続けて2着に走ったように、異なるレース質に対応できる総合力は素直に評価したい。前走ヴィクトリアマイルでは完璧な立ち回りをしてエンブロイダリーには完敗したものの、1分31秒1で走れているので高速馬場への対応力はそれなりに高い。ただ、追走で脚を使っても最後までまとめられることと、脚を溜めた相手を決め手で上回れることは別の話。トップスピードの質という点では上位の一頭であることは間違いないが、今回のメンバーで末脚の絶対値が抜けているとまでは考えておらず、中盤で脚を溜めた馬同士が32秒台の上がり比べという形になった時に取りこぼすリスクはそれなりに高い。また、気性面の問題が完全に払拭されたわけではないので、マイルを2戦走った後の距離延長でペースが緩んだ時に、きちんと休み明けでも折り合って脚を溜められるかは別途リスクとして頭に入れておく必要はある。能力上位なのは明白だし、目標が先の叩き台にしても連軸としては良い選択肢になる一頭だと思うが、勝ち切るという観点では展開と折り合いの注文が残る。正直この臨戦で大外枠は結構危ないのではと考えているので、人気を集めるならあまり食指が動かない。2~3着候補という扱いで濁すのが現実的か。△4.クランフォード揉まれ弱さがあり、周囲からプレッシャーを受けずに運びながら長く良い脚を使いたいタイプ。父ブリックスアンドモルタルの持続力を感じる走りで、同じ父×母父キングカメハメハのアスクカムオンモアも東京中距離のtvk賞や府中Sを勝っている。本馬もコーナーで器用に加速するより、直線に向いてからノビノビと脚を伸ばす方が良いと思うので、中山から大箱東京へのコース替わり自体は確実にプラス。近走について振り返っても、前走の京成杯AHは番手外から運んで最後に甘くなったとはいえ、内有利バイアスの中で外枠から位置を取りに行った分でよく走れているので十分に見直し可能。また、4走前の阪神牝馬Sは着差が付きにくい展開だったため着差は評価しない方が良いが、脚を残して直線を迎えられれば高速馬場でも全く抵抗できない馬ではない。揉まれたくない本馬にとって内枠は扱いが難しいものの、思い切って先手を主張できれば馬群の前に出しながら距離ロスも抑えられる。セキトバイーストが10番にいるだけに競り合いは避けたいが、こちらが内から主導権を握って自分のリズムを守れるなら、長い直線で持続力を活かす形に持ち込む余地はある。相手が強いことは承知しているが、前走の敗戦でここまでオッズチャージが効くなら賭ける価値はある。自分の形に持ち込めた時の一発を狙う大穴として買いたい。<無印の馬について>・6.ムイデビュー時から出遅れ癖、モタれ癖、折り合いの課題が目立っていて、現在もその点が解消されていない。短距離戦でも後方に置かれ、速い上がりを使っても前に迫れない競馬が続いているので、距離を延ばして追走が楽になれば解決するほど単純な問題ではない。今回は初めての1800mで、距離延長による追走緩和よりも、ペースが落ちた時にきちんと我慢できるかの方が気になる。ミッキーアイル産駒らしくかなり前進気勢が強いので、いつものようにスタートで後手を踏んでリカバリーしようものなら道中はまず力むし、距離が延びる分だけ最後まで脚を残すことは難しくなる。また、内枠を活かして上手く折り合えたとしても後方のままでは前の強い馬を決め手で上回る必要がある。近走にそれらの改善を裏付ける内容が乏しいここは手が出ない。・7.ミラビリスマジック1800mに延ばした近2走は、瞬発戦の弥彦Sと流れた阿武隈Sでそれぞれ見せ場を作っており、距離延長がプラスに働いている点は認めざるを得ない。とはいえ、2走前の弥彦Sは着差が付きにくいドスローの直線勝負だったのでエストゥペンダから0.2秒差といえども過大評価は禁物だし、前走の阿武隈Sも内有利バイアスに反して外から差し切った点は評価できるが、ハンデも軽かったしメンバーレベルも低かった。トップスピードの速さに限界があるので、うまく内をロス無く立ち回っても斤量差がなくなる今回の相手を負かすには能力面でもう一段の前進が必要不可欠。近走だけではそこまでの裏付けは取れず、別定重賞では手が回らない。・8.ルージュソリテール追走の消耗を抑え、好位でギリギリまで追い出しを待つ形が合う馬。重賞で道中から脚を使わされると、直線でも長く持続脚を使って押し通す感じではないので、前に壁を作って溜められるかが鍵。阪神牝馬Sはエンブロイダリーとカムニャックに0.2秒差まで食らいついたが、先行馬が脚を残せる展開で2番手を取れた上、57kgの2頭に対して本馬は55kgと斤量も軽かった。着差の付きにくい流れと斤量差を考えると、僅差をそのまま互角級の実力として扱うのは妥当でない。その後の府中牝馬SとクイーンSでは先行して最後に伸び切れていないように、壁を作れないと力んでしまって末脚不発になりがち。セキトバイーストが中盤も緩めず後続の脚を削ぐ展開に持ち込むなら力みもマシになるかもしれないが、その場合に直線まで脚を温存できるかは未知。その点、今回は真ん中の枠を引いたが、ニシノティアモ・チェルビアット・クイーンズウォーク・カネラフィーナなど好位を取りたい同型馬が軒並み内に並んでいるので思いのほか馬群の外を回らされるリスクはある。うまく外から出して行く馬を行かせて壁を作りながら脚を温存できればといったところで、紐候補にはなれど絶好の条件とは感じない。・9.ウイントワイライト追走に余裕を作って末脚を活かしたい馬だが、スタートが安定しない上、ペースが緩めば折り合いを欠くリスクもある。前走の府中牝馬Sは1400mから1800mへの距離延長による追走緩和に加え、中盤も緩まなかったことで折り合いをつけやすかった点も大きかった。使い込まれて傷んだ稍重の芝をセキトバイーストが緩めずに逃げ、前を追いかけた馬や早めに動いた馬が苦しくなる中、後方から枠なりに内々で脚を温存して直線の差し込みに徹する形が絶妙に噛み合った結果だと思う。末脚の質自体は評価できるが、53kgの軽ハンデに加えて、有力各馬が4コーナーで大きな不利を受けて空いた席であったことも考慮すると2着といえど過信はできない。今回は斤量が55kgに増え、前走56kgだった1着馬セキトバイーストが55kgになるので、前走あった3kgの斤量利がなくなる点が鍵。東京1800m戦における斤量の差はラストの加速局面でモロに影響してくる。また、同じ舞台でも府中牝馬Sとアイルランドトロフィーは馬場状態も全く異なるだけに、府中牝馬Sを好走しているからこそ疑う余地がある。確かに、遅れて力を付けてくるレイデオロ産駒が傾向通りに距離を延ばして結果を出した点から本格化の兆しは見せているのでもう一発を期待したくなるが、レイデオロが引き立てる母ダイワベスパーは明確な短距離馬。府中牝馬Sは6月末の芝が剥がれたボコボコの馬場状態で脚を温存できたことでなんとかこなせたという可能性も十分にある。このまま人気しないなら相手に入れても良いと思うが、明らかに買い時は前走だっただけに、ようやく適距離を見つけたと人気してくるようなら後追いは消極的になる。・10.セキトバイースト緩急の小さい流れで後続に脚を使わせて持久戦に持ち込むことで相対的な強さを発揮するタイプ。父デクラレーションオブウォーらしく力の要る芝でパワーを活かしながらスピードを持続する走りが得意なので、6月末に施行されるタフな府中牝馬Sを連覇したのには納得がいく。評価している4走前のエリザベス女王杯は、向こう正面から3コーナーにかけての登り坂区間でもペースが緩まず、外差しに拍車をかける馬場も相まって見た目以上に先行負荷が強かった一戦。前受けした馬が苦しくなる中、直線で荒れた内を通しながら6着に踏ん張った内容は強い内容だった。6走前の昨年の府中牝馬Sも、[12.6-11.0-11.9-11.7-11.7-11.7-11.5-11.7-12.2]と中緩みがない流れを先行して、カナテープやラヴァンダを退けたように、あの持続性能を活かせれば重賞でも十分通用する。一方、直線で高いトップスピードを求められた昨年のアイルランドTでは明確にキレ負けしているように、良好な路盤での純粋な末脚勝負になると分が悪いのは明白。今回と同じコースの府中牝馬Sを連覇していると言っても、当時の傷んだ稍重の芝が合っていた上に、ニシノティアモが4コーナーで大きな不利を受けたことも考慮しなければならない。同じ舞台でも府中牝馬Sとアイルランドトロフィーは馬場状態も全く異なるだけに、府中牝馬Sを連覇しているからこそ疑う必要がある一頭だろう。今年は昨年の反省を生かして道中から後続の脚を削ぐ競馬を意識してくると思うが、カムニャックやラヴァンダは中盤が締まった高速決着でも走れるだけに、自力で流れを作るだけで今回の上位馬まで封じられるとは考えていない。56kgから55kgへの斤量減はプラスだが、積極的に狙うなら雨が降って他馬の上がりも削がれる環境が欲しい。流石に開催2週目の良馬場で施行される今回は府中牝馬Sの走りではキレ負けするリスクが高い見立てなので、コース実績抜群でも評価としては控えめ。・12.ミアネーロ前走の関越Sでは自身より前で運んだゴンバデカーブースを捕まえきれず、位置取りの利がありながら後方のエストゥペンダには捕まるというあまりに物足りない内容だった。新潟外回りの直線勝負という特殊なレースだったからこそ上がり32秒台を使えたが、そのエストゥペンダが上がりを使えず苦しんだ府中牝馬Sではミアネーロの方がタフな展開で好走できている。当時は内有利バイアスに沿って立ち回れたとはいえ、ウイントワイライトより2kg重い55kgを背負って同タイムの3着まで差せてはいるし、やはり関越Sは位置取りの優位性だけでなんとか好走圏に粘っただけで、本質的には全馬の脚が上がるタフな持久力勝負になった時に最後まで脚を使う鈍足タイプだと考えられる。3歳時に好走したフラワーCや紫苑Sを振り返っても、やはり上がりが掛かるレースで浮上するタイプだろう。今回はある程度先行型が居る中で持久戦に持ち込みたいセキトバイーストが流してくれそうなのは好都合だが、そうと言っても開催2週目の踏み固められた高速馬場では少なからずトップスピードが問われる。能力的にはどうしても下位になるので、近走同様に内枠の利を活かすことができない並びになった今回は印が回らない。・13.ワタシマツワ長期休養明けの2走前に札幌で復帰してから、馬体を12kg、10kgと増やしながら連勝しており、休養前より力を付けてきたのは間違いない。特に前走の日高Sは56kgと一気に斤量が増えても差しが届く失速ラップを逃げ切っているので、それなりに強い競馬はしている。ただ、連勝した2戦はいずれも札幌1500mの上がりが掛かるレースで、末脚の絶対値よりも先行力と粘りを活かせる競馬で強さを示したもの。直線の長い東京1800mへの距離延長となると、どうしても最後にトップスピードが求められる。セキトバイーストなどがいる構成では楽な単騎逃げも見込みづらく、成長は評価しても今回の上位馬と正面から勝負できるだけの決め手は示せていないので軽視。・14.ハワイアンティアレ2走前の錦Sは大外枠から上がり32.4秒を使って勝ち馬から0.3秒差まで詰めていたように、芝でしっかり脚を溜められればキレる末脚を使える馬。ただ、前走の豊橋Sでは前半3ハロン36.5秒のドスロー逃げが既に叶っており、1800mへの距離延長による追走緩和効果は期待できない。芝に戻して続けて良い脚を使えている点は一定の評価ができるが、今回は良い走りをした直近2走の斤量53kgから55kgへの斤量増に加えて一気に相手が強化される点で好走ハードルはそれなりに高くなる。距離を稼ぐのが難しい枠並びになった今回は能力的にも手が出ない。・15.ジョスラン初の1600m挑戦だった前走ヴィクトリアマイルでは追走で脚を削がれて最後の余力が無かったことを考えると、少しでも距離が延びるのはプラスに思える。一方で、エピファネイア産駒らしくペースが緩めば折り合いの課題があるので、距離延長だからと無条件に買いやすくなるわけではない。確かに、2走前の小倉牝馬Sは、中盤で息が入ってからの末脚比べを、内有利バイアスに反して外から勝ち切った点は評価できる。ただ、ルメール騎手が完璧に脚を温存して追い出しのタイミングを噛み合わせた好騎乗が大きかったし、55.5kgを背負っていた2・3着馬をハンデ54kgでアタマ差凌いだというものなので、あの勝利だけで今回のG1好走馬と同列の評価まではできない。カーネーションCを1分45秒4で勝っているし、高速決着への対応力はそれなりに高いと思う。ただ、気難しさを見せている中での距離延長臨戦というのは明確な割引材料だけに、折り合いを付けるのが上手なルメール騎手が乗るとはいえ前に壁を作って我慢させられる枠並びは欲しかったし、鞍上人気するならそこまで信頼できないため評価は消極的。

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